OB・OG専用サイト
JSSFニュース
新着情報
MENU

My メッセージ

日本証券業協会 会長 稲野 和利 氏

日本全国に存在した10の証券業協会を統合して現在の日本証券業協会が発足したのは、昭和48年のことである。
証券界にとっては一大画期であったが、この時、その記念事業として、全国の証券会社等からの寄附により誕生したのが当財団である。
私が当財団の存在を知ったのは、証券会社で働くまだまだ若い頃であった。昔も今もそうだが、営業の現場では辛いことも多いのが日常だ。人から「証券会社は世の中の役に立っているのか」などと非難されると真っ向反論するのだが、時として気持ちが萎えることもあった。気持ちが萎えると、誇りに飢える。発足間もない当財団の存在と設立趣意を知ったことにより、その飢えは多少とも満たされたことを思い出す。
以来約40年、今や当財団の存在と活動は証券界にとっての大いなる誇りである。私自身、当財団の理事として、現在その活動に些かの関わりを持つことができることを大変光栄に感じている。
証券界は「投資」に関するビジネスを生業としている。「投資」とは、「未来に向かって何かを投じる営み」である。この営みが成立するためには未来を予測することが不可欠であり、その予測精度は着実に上がってきてはいる。
しかし、未だに我々証券界に生きる者が直面しているのは、高い確率での未来予測、特に証券市場予測は困難であるという事実である。 そのような我々であるからこそ、強く感じることがある。
それは、人材への投資、別の言葉で言えば、人材育成こそが未来に向かっての確実な投資であるということである。鋭い先見性と広い視野を有した人物はいつの時代でも待望される。そのような人物によって歴史の進歩がもたらされてきたことは紛うことなき事実である。
人材への投資は確実に、そのような人物の出現確率を上げることに寄与する。若い、可能性を秘めた人材に対して奨学金給付を行うあるいは研究助成を行うことによって本人の成長を支援する、そしていずれかの暁、本人の成長による果実は社会全体に還元されることになる。
日本証券奨学財団は前途有為の若者たちの未来を支えている。 証券界の一員として、財団の今後の発展を心より願う次第である。