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修了者インタビュー

神戸大学大学院 経済学研究科 修士課程修了 藤田誠一 様

 自己紹介

 私は1978~80年の博士前期課程の時に日本証券奨学財団のお世話になりました。博士後期課程に進学後1980年6月に神戸大学経済学部の助手に採用されました。その後は講師、助教授、教授と41年間神戸大学経済学部・経済学研究科にお世話になり、この3月で定年を迎えます。

 日本証券奨学財団との出会い

 私が奨学金に応募したときには、推薦大学の数は今よりずっと少なく、各大学学部生3名、博士前期課程(修士課程)1名、博士後期課程(博士課程)1名の推薦枠があり、教務係に相談したところ学部3、4年生の成績は良いということで推薦していただきました。当時は書類審査のみで今のように面接はありませんでした。正直、証券界が財源であるということは理解していましたが、財団の成り立ちや求める人物像については詳しく知らなかったので、面接があったら採用されなかったかも知れません。奨学金授与式で、瀬川理事長をはじめ、ご来賓の挨拶を聞くうちに、大変名誉な奨学金をいただくことになったと初めて実感した次第です。
 また、初代の川野辺代表幹事が挨拶され、同友会というOB会があることも当日知りました。

 奨学金と学生生活について

 私は自宅から大学に通っていましたので、いただいた奨学金は書籍の購入に主として充てさせていただきました。学部生の頃は、図書館で本を借りて読んでいましたが、大学院になると専門書、特に洋書を沢山読む必要があり、当時は1ドル・200円ぐらいで洋書は高価でしたので奨学金は随分助かりました。
 大学の奨学生の集いや関西地区の奨学生の集いなど、分野も学年も異なる奨学生が集まる機会が年に何度かあり、2年目は神戸大学が関西地区の集いの当番校に当たっており、司会をしたのも懐かしい思い出です。

 日本証券奨学財団とのつながり

 スタンフォード大学での1年半の在外研究から戻った1984年の秋口に、事務局次長(当時)の田代巖さんから電話をいただき、同友会の神戸大学幹事に指名され、同友会とのつながりが始まりました。当時は電子メールも携帯電話もない時代でしたので、手紙や電話のやりとりが中心で年に2回は関西地区の幹事会を開き、総会や会報の相談をしていました。その後、関西地区幹事、代表幹事を務めさせていただき、財団の事務局の方も含め色んな方々と話をさせていただきました。同友会総会にはほぼ毎年参加させていただいています。
 財団と同友会幹事などを通じて40年近くおつきあいをさせていただいて感じることは、財団の皆さんの奨学生および同友会会員に対する期待と熱い思いです。特に歴代の事務局長は、現役の奨学生はもちろん久しぶりに参加した同友会の会員についても、前回どのような話をしたかなど記憶しておられたりして、びっくりさせられることがよくありました。


 後輩への一言

 日本証券奨学財団の奨学金の一番の特徴は、専門分野と年代を異にする人々が交流する場が、現役の時も卒業・修了後も用意されていることだと思います。最近の学問は専門性が極めて高くなり、なかなか他の分野の研究をしている人と話をする機会も少なくなっています。特に自然科学の分野では、隣の研究室のことはわからないということがよくあると聞いています。しかし、私たちが解決を迫られている問題は複合的で、一つの研究分野のみで対応できないものばかりで、複数の学問を融合した研究を必要としています。日本証券奨学財団という場を活用して、異分野・異業種の方との交流・協働により、「社会の各分野で指導的役割を担う」実力を養って下さい。

(2021年2月)